作品紹介

日本、初公開。
日本、初公開。
手紙を書く女 - A Lady Writing -
17世紀のオランダでは郵便制度の発達に伴い手紙でのやり取りが盛んに行われた。フェルメールも手紙をテーマに6点の作品を描いている。毛皮付きの黄色い上着姿の女性は、机に向かい羽ペンを走らせている真っ最中である。ふと筆を休めた彼女は、絵の前に立つ我々を見つめるかのようにこちらに顔を向ける。穏やかな光の中で優しく微笑む女性。耳元の真珠のイヤリングに光の粒が輝く。当時、人々が憧れ、親しんだ手紙をめぐる情景を、フェルメールは美しい女性像を通じて描き出している。
1665年頃
油彩・カンヴァス | 45×39.9cm | ワシントン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery of Art, Washington, Gift of Harry Waldron Havemeyer and Horace Havemeyer, Jr., in memory of their father, Horace Havemeyer, 1962.10.1
日本、初公開。
日本、初公開。
取り持ち女 - Procuress -
初期作の1つである本作は、それまで宗教画、物語画に取り組んでいたフェルメールがはじめて描いた風俗画である。当時、キリストが説いた譬え話「放蕩息子」を発端に、娼家を舞台にした絵が数多く制作され、フェルメールもそうした時流の中でこの絵を描いた。女性は今まさにお客から金貨を受け取るところである。彼女を明るく照らす光、表情や手の動きなど、後にフェルメールが確立する表現の萌芽がすでに散見される。現存作品の3点にのみに年記が残るが、本作の右下には画家のサインと共に制作年も記されている。日本初公開。
1656年
油彩・カンヴァス | 143×130cm | ドレスデン国立古典絵画館
bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF

西日本、過去最大規模の6作品が集結

恋文 - The Love Letter - 【大阪展のみ】
後期作のひとつである本作は、部屋の手前からまるで中を覗き込むように描かれている。 明るい室内でリュートを膝に乗せ、手紙を受け取る女主人。 絵の中には、彼女が「恋」にうつつを抜かしていることを暗示する楽器や放り出されたスリッパ、箒など、寓意的なモチーフがちりばめられている。 訳ありげな表情を浮かべる女主人に、お手伝いの女性はいたずらっぽく微笑み、どこか親しげな雰囲気がただよう。 練り込まれた構図と物語性の高さが際立つ本作は、1971年、盗難の憂き目に遭うが13日後に発見され美術館に戻された。
1669 - 1670年頃
油彩・カンヴァス | 44×38.5cm | アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893 Rijksmuseum, Amsterdam
手紙を書く婦人と召使い - Woman Writing a Letter, with her Maid -
幻想のような現実を描き出すことにおいて、フェルメール作品は、他に類を見ない芸術的なレベルに到達した。描かれる人物はしばしば寡黙で動きが少なく、絵画に厳粛でミステリアスな雰囲気をもたらしている。この絵画はフェルメール後期の最も独創的な作品のひとつ。召使いの女性が窓の外を眺めている間に女主人が手紙を書いている。床には、この時代のやりとりで使われたであろう赤い封印、スティック状のシーリングワックス(封蝋)などが落ちている。
1670 - 1671年頃
油彩・カンヴァス | 71.1×60.5cm | アイルランド・ナショナル・ギャラリー
Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection)
Photo © National Gallery of Ireland, Dublin NGI.4535
マルタとマリアの家のキリスト - Christ in the House of Martha and Mary -
現存するフェルメール作品の中で、最も大きく、最初期作のひとつ。画中ではキリストが、家事を心配するマルタをよそに、座ってキリストの教えを聞こうとするマリアを讃えている。光と影の戯れ、人物の特徴づけ、幅広で厚く絵の具をのせた筆さばきは、カラヴァッジオの影響下にあったユトレヒト派の画家からインスピレーションを受けたと考えられる。フェルメールにはめずらしい大きなサイズや主題から、特別な依頼を受けて制作されたものと推測される。
1654 - 1655年頃
油彩・カンヴァス | 158.5×141.5cm | スコットランド・ナショナル・ギャラリー
National Galleries of Scotland, Edinburgh. Presented by the sons of W A Coats in memory of their father 1927
リュートを調弦する女 - Woman with a Lute -
薄暗い室内に一人腰掛ける女性はリュートを抱え、弦をかき鳴らす。左手でペグをつまみ、音階を整えている。遠く窓の方に視線を向ける様子は見る者の想像力をかき立てる。窓越しに何かを見つめているのか、それとも耳を澄まし、音を追うことに注力しているのか。机の上には楽譜らしきものが重なるように置かれ、壁には、ときに絵の中で、愛する人が遠い彼方にいることを示唆する地図が描き込まれている。
1662 - 1663年頃
油彩・カンヴァス | 51.4×45.7cm | メトロポリタン美術館
Lent by the Metropolitan Museum of Art, Bequest of Collis P. Huntington, 1900(25.110.24).
Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY

フェルメールと同時代の画家

 ハブリエル・メツー - 手紙を読む女 -
ハブリエル・メツー
Woman Reading a Letter 手紙を読む女
1664-1666年頃
油彩・板
52.5×40.2cm
アイルランド・ナショナル・ギャラリー Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection) Photo © National Gallery of Ireland, Dublin NGI.4537
 ハブリエル・メツー - 手紙を読む女 -
ピーテル・デ・ホーホ
Three Women and a Man in the Courtyard behind a House 人の居る裏庭
1663-1665年頃
油彩・カンヴァス
60×45.7cm
アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. On loan from the City of Amsterdam (A. van der Hoop Bequest)
 ハブリエル・メツー - 手紙を読む女 -
ヘラルト・ダウ
Old Woman Reading
本を読む老女
1631-1632年頃
油彩・板
71.2×55.2cm
アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. A.H. Hoekwater Bequest, The Hague, 1912
 ハブリエル・メツー - 手紙を読む女 -
ヤン・ステーン
Family Scene
家族の情景
1665-1675年頃
油彩・板
48.5×40cm
アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. On loan from the City of Amsterdam (A. van der Hoop Bequest)